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就活の大きな落とし穴~合格と不合格の紙一重に潜む悪魔…内定ほしいオーラと人当たりの強さについて考える~ [気づきなど]

多くのみなさんの大きなご協力のおかげで、現在人気ブログランキング・就職部門でなんとか3本の指に入っている( http://blog.with2.net/link.php?803911 )。順位はズルズル下がりそうなのだが、不思議なことに昨日はアクセス数が過去最大となった。また見物人が増えた感じがして、真剣に読んでいる皆さんには迷惑な話だと思うが、そこから一人でも自分の愚かさに気づいてくれれば幸いである。これも宇宙人の役割かもしれない。気を取り直して今日も書こう。

このブログは決してブログランキングで上位になることを目標としているのではなく、みなさんとともに、共感・共有できる仲間を増やすことが目的だ。書籍の執筆の都合で、このブログがいつまで続くかわからないが、今日も&今日こそ、みなさんにクリックしていただけれるように心を尽くしたい。

今日は、その「愚か者」について少し書きたい。みなさんも愚か者にならにようにしっかりと気を引き締めてほしいと思う。少し暗い話から…キャリアオフィスに勤務している頃、3月後半から4月の連休前になると、いわゆる大企業(優良企業とは言ってない)の面接でうまくいかず、敗戦の弁を語りに来る人が多くなる。1時間ほどかけて、面接での対応がうまくいったこと、高く評価するコメントをいただいたこと、他の人よりも明らかに自分が優れていると思われること、を全て話し、最後には「あ~ここで内定ほしかったな~…」と言って泣き崩れる。カウンターの下にはちゃんとティッシュが準備されていて、それを差し出して落ち着くまで待つのである。

こうした面談以外でも、私が担当した全てのセミナーやワークショップをあわせると、これまでに万の桁を超える就活生と話してきたが、この3月後半から4月の連休前の敗戦の弁者には大きな共通する特徴があることに気がついたのである。それが、「内定ほしいオーラ」であり、「人当たりの強さ」なのだ。

まず「内定ほしいオーラ」から。読んで字の如くであるが、「内定をくれるなら何でもやります!」というオーラが全身から発散されているのである。面談の時に感じるのであるから、現場ではもっとひどかっただろう。人間、表面的に取り繕おうとすると余計にそれが目立ってしまう。それがオーラの恐いところだ。

審査する立場として考えると、その「内定ほしいオーラ」が出ている人に対して二つの不利が働いてしまう。ひとつは、「内定ほしいオーラ」が「内定ほしいストーカー」のように見えてきて、あまり深入りしたくなる。深入りし過ぎると、逆恨みされたりあとで厄介なことになるのではないかと心配になってくる。しかも、「内定ほしいオーラ」が出てきる人は、これは錯覚なのだと思うが概して中身が薄く感じてしまい、「内定ほしいオーラ」=「中身の伴わない人」という方程式が出来上がってしまう。

もうひとつは、「内定ほしいオーラ」が出ている人は、直ぐに選考に進めなくても時間稼ぎをできる「安全パイ」と見られるのだ。「そんなに内定がほしいのならちょっと待ってね。他の優秀な候補者を先に面接してから、その人たちの感触が悪ければ、面接に呼んであげても良いけど。」というひどい仕打ちが待っているのである。

もちろん、人事の人は口が裂けてもそんなことは指摘してくれないし、態度にも出さない。「そんなに志望度を高く持ってくれてありがとう。君のような情熱のある人と一緒に良い会社にしていきたいと思う。」なんて逆の言葉が返ってくるので、学生が苦しむことになる。

「内定がほしい」…その気持ちはよくわかる。自分がこの会社に入れば、死に物狂いで働くので、どうか内定を決めてほしい!という精神論がそのオーラを助長している。だから、この際、精神論を捨てるのだ。これが「内定ほしいオーラ」を失くすための唯一の方法であると思う。「頑張ります」「何でもします」「任せてください」などの精神論を捨て、企業をしっかり見つめて、自分と企業を結ぶコンセプトを考えることだ。

その企業はどのような企業文化があるのだろう?
その企業は企業文化によってどんな強みを生み出してきたのだろう?
その企業文化や強みを自分の価値観と照らし合わせて、どこを評価しているのだろう?
その企業は今後どのような事業展開を考えているのだろう?
その事業展開を考える場合に、自分の知識、能力、経験は生かせるだろう?
社会人としてこれからどんな力をつければ、その企業の中で貢献できるのだろう?
そして
自分は、誰に対して、何を、どのように実現していけば、この会社に一員になれるだろう?
…これがコンセプトなのである。つまり志望動機は聞かれなくてもこうして考えておかなければならないのだ。

簡単とは言ってない。もちろん難しいことだ。今の自分を分析するだけでも難しくて妥協しかけているのに、未来の自分が企業の中で貢献していく姿を大真面目に考えるなんて…全体無理だよ…そんな声が聞こえてくる。でも社会の現実は厳しい。そのコンセプトを考えて、考えて、考え抜かなければ就活は終わらない。今日はちょっと厳しく言おう。そのコンセプトを考えずに就活を終えた人は、決して本当の幸せにはなれないのである。

次に、「人当たりの強さ」についてである。3月後半から4月の連休前に出会った敗戦弁者は、概して「成績的に優秀であり」「活発でリーダー気質があり」「負けん気や我が強く」「正義感が強く一歩も引かない」人であることが多い。ここに並んだ言葉は、いずれもそんなに悪い言葉に見えない。だから本人としても悪い自覚症状が無い。しかし、これらを客観的な言い方にすると、「人当たりが強すぎる」のである。もっと悪い言い方をすると、「融通の利かない支配的な人」ということになる。

もちろん業界や企業によっては、こういう気質の持ち主はウェルカムなところもある。しかし、この世の企業のほとんどは、チームプレーを要求している。どれだけ個人プレーを評価する会社であっても、成長企業であればあるほど、組織全体としての最適を追求していく。だから、人当たりの良さや柔らかさは採用の合否にとって非常に重要なファクターになる。会社としてのイノベーション(革新)を全員が同じベクトルを持って実現していくためには、チームプレーは不可欠なのだ。そんなところに、人当たりの強い人が登場すると、上司部下の信頼関係が崩れ、同期との連帯感もなくなり、会社批判による全体としての帰属意識の低下などに影響すると考えられている。

簡単に言うと…採用側がコントロールしにくい人を積極的に採らないということだ。コントロールできる人が上にいれば、どんなに人当たりの強い人が入ってきても、うまくコントロールしてその人の適材適所を引き出し、大きな成果に結びつけることができる。しかし、この世の中…(私の勝手な評価で恐縮だが)90%以上のサラーリーマンが、会社の中でうまく人をコントロールすることができない(あるいはできてもしたくない)人なのだ。全くイケテナイ話だが、それが現実なのだ。だから、コントロールしやすい人を採る。

どんなに成績的が優秀でも、どんなに活発でリーダー気質があっても、どんなに負けん気や我が強くても、どんなに正義感が強くて一歩も引かない強さがあっても…採用内定しないことが、「多く」存在するということだ。

しかし、この「人当たりの強さ」は「内定ほしいオーラ」のような改善への決定的な対処法がない。まずは、自分に素直になって、「人当たりの強さ」を自覚することから始める。既にグループディスカッション審査なども始まっていると思うが、率先してリーダーに立候補したい人なんかが非常に危ない。それと、自己PRで使わない方が良いと思うが「負けず嫌い」の表現を使う人、これもヤバイ。また、弱い立場の人を救いたいとウルトラセブンのように正義の味方になってしまう人も要注意だ。私?

そして、日頃から友達と話す時なども、今まで以上に「人の話にしっかりと耳を傾ける」ことができるように努力してみよう。今までは、友達の話より自分の話を先に聞いてほしいと思っていたと考えられるが、その人の話に耳を傾けることで、そこから吸収できることを一生懸命考えるのである。自分が話したいと思っている話よりも、もっと面白くなるように、その人から貴重な情報を引き出せるように努力するのだ。

さらに言うと、日頃から何事にも謙虚な気持ちを持つのだ。こうして生まれて成長し生きていること、まともに(経済的にも物理的にも)就活に集中して取り組めることができていること、面接の機会が与えられたこと…全てに感謝の気持ち忘れずに、悪い意味でへりくだるのではなく前向きに謙虚になるという意味である。

こうして日頃から人の話に耳を傾け、謙虚な姿勢を貫けば、例えば面接では、面接官に逆質問をすることはできないが、その面接官がどのようなことを知りたいのかを謙虚に考えて答えるのである。一生懸命に相手のことを考えていれば、その想いは、「…今のご質問は、学生時代に力を注いだことを詳しく説明するということでよろしいでしょうか…」など、少し人当たりの柔らかくなる言葉に落ちるようになる。グループディスカッションでも、他人の意見をじっくりと聞くことで謙虚な姿勢で臨めば、心の底からその人の意見を尊重できるようになる。そうすれば、自分が審査されているのに、相手を褒め称えた自分が合格する日が来る。

「内定ほしいオーラ」も「人当たりの強さ」も自分ではなかなか気づかないものである。かといって、友達もあなたの面接シーンなどを見てくれているわけではないから、一生の友達さえもそれに気づかないかもしれない。だから、自分で気づくしかない。合格と不合格の紙一重に潜む悪魔。これが「内定ほしいオーラ」であり「人当たりの強さ」なのである。

そう。まずは自覚することが必要だ。そう。いつものようにコメント欄に今日は「懺悔」を書き込もう!そして明日から、「面接ほしいオーラ」を捨て、「人当たりの強さ」を改善した自分になることを誓おう。愚か者を今日卒業するのだ。←またもやネッピー得意の誓い

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2009-12-11 18:13  nice!(1)  コメント(8)  トラックバック(0) 

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コメント 8

aquatimer

「面接ほしいオーラ」と「人当たりの強さ」・・・なんだか読んでてドキッとしました。特に後者。私は以前から、自分は人の話を聞くのが下手だなぁと感じていました。そして改善を意識するようになり、ちょっとしたhow to本なんかも目を通し、「あぁ、なるほど」という発見がありました。そして最近はゼミや就活関連のセミナーで他の方とお話するときに、少しずつでも実践するよう心がけています。相手が話しやすい雰囲気づくり、気持ちを大きくもって相手の言うことに耳を傾ける姿勢・・・実践を始めてから、確実に手ごたえを感じています。そしてこれからも日々意識して取り組んでいけば(本当は自然体でできると一番いいけれど)、きっと将来の自分にとってプラスになると信じています。がんばるぞ~
by aquatimer (2009-12-11 22:48) 

koko

こんばんは。いつもブログを楽しみにしております。

ブログを読んで、思い当たることがありました。面接やグループディスカッションでは自分を良く見せようとして、「自分をアピール」しようとしてしまいます。それが、「内定ほしいオーラ」なのですね。人の話を聞きながら、常に自分の役割を考えられるよう、意識していきたいと思います!
by koko (2009-12-12 02:36) 

yuniko

こんばんは

連日閲覧するほど、このブログの虜になってしまいました。

素朴な疑問なのですが、上のブログに”90%以上のサラリーマンが会社の中でうまく人をコントロールできない人なのだ”と書かれていますが、逆にうまくコントロールできる人とはどのような人なのでしょうか?また、努力によって人をうまくコントロールできるようになることは可能なのでしょうか?
by yuniko (2009-12-14 02:17) 

ネッピー

Aquatimerさん
コメントありがとうございます。既にその大切さや勘どころをつかまれたようですね。よかったです。その調子で人の話を聞くことをマスターしてください。不思議なことに、それができるようになると、相手の話を聞く前から内容がわかるような感じになり、話の引き出し方もうまくなります。頑張ってください!
by ネッピー (2009-12-14 22:55) 

ネッピー

kokoさん
コメントありがとうございます。自分を良く見せようとアピールするのは自然なことです。悪いことではありません。それはまだ「内定ほしいオーラ」ではありません。ご安心を。ただし、もう少し状況が進んで「何でもするのでこの会社に入れてください」という精神論が生まれると「内定ほしいオーラ」につながるので注意してください。でもそんなに神経質にならなくても大丈夫ですよ。
by ネッピー (2009-12-14 22:59) 

ネッピー

yunikoさん
コメントありがとうございます。「虜」とはご過分な褒め言葉をいただきありがとうございます。
さてコントロールできる10人に1人のことですが、一言で表現するなら「全体と個別の両方を見れる人」ですね。全体が得意な人、個別が得意な人はそれぞれいるのですが、コントロールしなければならない管理職は両方のチカラを試されます。10人のうち9人は、自分ができることで勝負しようと考えてしまい、全体が得意な人はさらに全体に目を向け、個別が得意な人はさらに個別に目を向けるようになる。不思議なもので、自分が不得意なことを克服しようとしないのです。
結論としては、自分ができないことを克服できればコントロールできるようになります。わかります?
by ネッピー (2009-12-14 23:07) 

yuniko

素朴な疑問に答えていただきありがとうございます!

コントロールできる人というのは、1つのことにフォーカスしてはならないのですね。自分が人を指揮する立場にたった際には上記の心掛けます!

ありがとうございました
by yuniko (2009-12-16 23:49) 

ネッピー

yuniko さん
コメントありがとうございました。出世欲がなかった私が、不運にも(笑)出世してしまったことから考えると・・・人を指揮する立場になるためには、やはり世のため、人のために尽くすことです。それを一生懸命やれば、地位は自然についてきます。
by ネッピー (2009-12-17 17:10) 

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