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あきらめない就活について~変なこだわりを捨て、意味のあるこだわりを大切にしよう [気づきなど]

こだわりの逸品

先週、以前大学で勤務していた時にアシスタントをしていただいていた皆さんと食事する機会に恵まれた。みなさん「優しい人」たちで毎日毎日、私のわがまま(いや、こだわり)に付き合ってくれていた。今でも本当に感謝している。その中の一人に、現在京都の西院で素敵な旦那様とともにお洒落なパン屋さんをやっておられる方がいる。ブーランジュリ・オノ(京都市右京区西院坤町30亮美ビル1F)。先日刊行されたガイドブック「京都おもてなしの逸品」にも登場している。素材や店創りにこだわりを持ち、まさに感謝する逸品を創り上げておられる。

いつ食べても、何度食べても、本当に美味しい。今までパンを深夜に食べるイメージはなかったが、実際その夜も仕事をしながら天然酵母入りブレッドをワインとともにいただいた。ごちそうさまでした!京都に住んでいる人はもちろん、関西に住んでいる人も、そして京都に旅行に来たら、こだわりの逸品を手に入れてほしい。

パンの耳へのこだわり

食事の場面に戻ると…オノさんにそのいろいろなこだわりについて話をお聞きしていた。そして今度は私のパンへのこだわりについて皆さんにお話を聞いてもらうことにした…「実は私…パンの耳が一番好きでね~」…そう、昔から(ここで言う「パンの耳」は、食パンの切れ端の両耳?とサンドウィッチで切る本当の耳?の総称)。

小学校低学年の頃は、まだ菓子パンなどがほんどない時代で、パン屋に行く=食パンを買いに行く、ということだった。近くのパン屋さんに行くと、ちょっと濃い目のお化粧をした上品なおばさんが「1斤かな2斤かな?5枚切りかな6枚切りかな?」と確認して、食パンを包丁で切ってくれた。ちょっと職人技というか、包丁に何らかの仕掛けがあったのか、見事なまでの包丁さばきだった。

そして次の質問にいつもドキドキしていた。「耳どうする?」…聞いてくれなかったらどうしよう。その裏に積まれているパンの耳の袋に入れられたら…今日の楽しみはなくなってしまう。自ら進んでパンを買いに行ったのは、他ならぬパンの耳をゲットするためだった。「耳どうする?」…「ちょうだい!両耳!」と言うと、パンの耳が嫌いな人が断ったパンの耳が入っている袋から一枚を取り出して、両耳を揃えてくれた。以前の食パンは2斤分で焼かれていたので、1斤では片耳しかなかったのである。

本当の本当は…その裏に積まれているパンの耳が嫌いな人が断ったパンの耳の袋をそのままほしかった。2斤分の食パン袋で「シキシマパン」と書かれてあったと思う。でも、「その耳全部ちょうだい!」なんて言ったら、片耳だったら悲しむ人がいるに違いないと幼いながらに考えて、言い出せなかった。

今でもたまにスーパーのパン屋さんがサンドウィッチの本当の耳を安くで売っているが、それも最近は外国の方を含めて人気商品のため売り切れ状態で、店によっては予約制のところもあるという。これでは…パンの両耳が2斤分の食パン袋に詰まっている幸せはなかなか届きそうにない。

そんな話をオノさんに聞いてもらっていたら、今度サンドウィッチでできる本当の耳?をいただけることになった。しかも…野菜の切れ端つき。体に良いじゃないですか!…と叫んでしまった。

変なこだわりを捨てる

さて、今日は表題のとおり「あきらめない就活」について考えたい。実は、先週のこのブログへの検索アクセスを分析したところ、これまで1年以上堂々の1位に君臨し続けていたキーワード「学生時代に力を注いだこと・力を入れたこと・頑張ったこと」がとうとう3位に陥落した。しかも、1位に躍り出たのは「就職浪人」、2位は「就職留年」、両方合わせると断トツの1位となった。「就職浪人(就職留年)を覚悟する人が増えたことをどう見るか」という記事を書いたからであろう。

その記事を読むと、「止めはしないけど、結局結果は同じだよ」ということが書かれてある。誤解のないように言うが、ここで言う「結果」とは、「就職先」ということではなく「幸せになれるかどうか」ということである。しかも、この記事にダイレクトにアクセスした人は高い確率で、他のページを見ていない。もう…あきらめているのだ。就職浪人(就職留年)することの正当性を探しているので、「止めはしないけど、結局結果は同じだよ」というメッセージは何の役にも立たないのである。

そのあきらめの気持ちはどこから来るのだろう。
(1) 大企業に入れなかったから?
大企業=優良企業じゃない。しかも、大企業の夏・秋選考もまだある。しかも、大企業に入っても幸せになれるとは限らないよ。むしろ…そうじゃないかもしれない。

(2) 周りからのプレッシャー?
家族の人?家族はあなたに幸せになってほしいと願っているだけ。大きな会社に入るよりも、あなたが幸せを感じて仕事をすることを願っている。就活を通じて成長しているあなたを見てくれている。プレッシャーなんて感じなくて良い。友人?お友達はあなたが思っているほどあなたの人生に責任も関心も持っていないよ。他人の言葉に左右されず自分の感性を大切にしてほしい。

(3) 内定は取れたけど納得いかないから?
納得いく会社はもう出てこない?そもそもあなたの言う「納得」って何?本当にそれがあなたの幸せにつながる納得なの?内定取れているのだから、もっと思い切って納得できる会社を見つける就活ができると思うけど。どうしても同じ会社にもう一度チャレンジしたいということならば、そのために何が必要なのかはわかっている?本当にわかっていたら、就職浪人(就活留年)することの正当性を見つけようなんて考えず、既にいろいろな準備を始めているはず。もう遅いかもしれない。

(4) 内定が取れないから?
だったら、評価されるまで就活をやり切った方が良いね。今年評価されなかった人が来年評価されると思わない。自分は社会に必要とされている人間ではないのか?などと受身に考え込まず、自分が社会に貢献できることを主体的に表現していけば良い。

本当はあきらめる理由なんてないのに、変なこだわりを捨てきれないのだ。大企業へのこだわり、プレッシャーへのこだわり、納得へのこだわり、受身へのこだわり…。どれもちゃんとした説明のつかない、自分で作ったとても変なこだわりなのだ。

自分で立てたネガティブな壁ほど、乗り越えたり打ち破ったりすることが難しいと言うが、これらのこだわりも同じである。自分で作ったネガティブなこだわりほど捨てるのが難しい。しかし、この変なこだわりを捨てないと前には進めないし、決して幸せにはなれないのである。

意味のあるこだわりを大切にする

オノさんの店が素材や店創りにこだわっているように、若いうちは「意味のあるこだわり」を大切にしてほしい。私も「パンの耳」が意味のあるこだわりだと思っていないが(本当は思っているが)、他にも意味のあるこだわりを持ち続けて、仕事をしてきた。だから会社も作った。適材適所な仕事を、適材適所に配置し、適材適所の可能性を広げていきたかったので、「適材適所」の言葉にこだわった(http://inter-works.tekizaitekisho.web.officelive.com/default.aspx)。

ところが歳を重ねると、だんだんこだわりが持てなくなる。だんだん、記憶力が衰えてきて、こだわれなくなり「ま~良っか~」になってしまう。こうして、学生さんとの対話の機会があり、いつもいつまでも意味のあるこだわりを持っていたいという想いで…なんとか持ち堪えている状況なのだ。

だから…と言ったら失礼になるが、若いうちに意味のあるこだわりならば、こだわれるだけこだわってほしい。エントリーシートでも面接でも、どんどん意味のあるこだわりを表現してほしい。

ところで、「意味のあるこだわり」ってどういう意味だろう?「変なこだわり」の反対だよ。変なこだわりが、「理由のつかない」「自分勝手な」「思い込み」であった。その反対は、「理由が明確で」「誰かのためになる」「心配り」なんだと思う。オノさんを始め、私を支えていただいていたアシスタントの皆さんの言葉の一つひとつからそれらを感じ取り、学ぶことができた。きっと、今回の再会が偶然だったとは思えない。皆さんに「変なこだわりを捨て、意味のあるこだわりを持とう!」のメッセージを伝えるための必然だったに違いない。

面接では、「理由が明確で」「誰かのためになる」「心配り」ができるこだわりを表明しよう。「私には…こんなこだわりがあります!」…自己満足ではない意味のあるこだわりには、生きている価値を感じることができる。そんな価値を持っている人と一緒に働きたいと思う。

待てよ!だとすると、パンの耳が好きなのは意味のあるこだわりじゃない。変なこだわりだったんだ。ショック!

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2009-06-08 15:58  nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(1) 
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NO NAME

「家族はあなたに幸せになってほしいと願っているだけ」
読んだ瞬間涙が出てきました。出来るかぎり頑張ろうと思います。
by NO NAME (2009-11-01 14:33) 

ネッピー

コメントありがとうございます。涙はストレスを解消するために必要ですし、涙の数だけ人間は成長します。私は散々親不孝をしてきましたが、親はいつも心を尽くして私のことを愛してくれていると思います。父親は既に帰天しましたが、今でも私の心の中で生き、私の幸せを願ってくれています。きっと試行錯誤の中からベストを尽くそうと懸命に生きているあなたの姿を家族の人は優しく見てくれています。「優しい」の意味がわかりますか?「憂う」人の横にたたずむ「人」という意味です。だから、心配しないで、チャレンジと反省を繰り返し続けてください。私も家族の人と同じぐらい応援しています。
by ネッピー (2009-11-01 22:30) 

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