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就活指令…エントリーシートや面接で本当にそんなに細かいことを話すべきなのか?~細かい事実、細かい感情や思い、細かい方法は要らない!~ [エントリーシート]

多くのみなさんの大きなご協力のおかげで、現在人気ブログランキング・就職部門で2位を守っている( http://blog.with2.net/link.php?803911 )。でも、今週は書けば書くほど、訪問者が少なくなっている。今日は暇な(統計的に訪問者が少ない)土曜日なので、さらに落ち込みが激しくなるだろうな~。

このブログは決してブログランキングで上位になることを目標としているのではなく、みなさんとともに、共感・共有できる仲間を増やすことが目的だ。書籍の執筆の都合で、このブログがいつまで続くかわからないが、今日も&今日こそ、みなさんにクリックしていただけれるように心を尽くしたい。

さて、今日はエントリーシートや面接での「細かい話」についてである。最近、就職情報サイトやブログなどに投稿されている自己PR、学生時代に力を注いだこと、その他自己分析に関連するエントリーシートをチェックして強く感じていることが、この「細かい話」なのだ。しかも、その「細かい話」がイケテナイということである。

自己PRでは、相変わらず学生時代に力を注いだことを延々と語っている人がいるし、強みを表すエピソードも必要以上に細かい割にはその強みを表せていないし、その他のエントリーシートで例えば「チームワーク」をアピールするにも「ある時…」などの偶然的且つ瞬間的な話が多すぎる。

なぜ、こんなに細かい話が出てくるのかよくわからない。大学のキャリアオフィスで勤務した3年間にもいろいろな学生さんに聞いたが、明確な結論は出てこなかった。そこでわかったことは、この世の就活本のほとんどに「エピソードを交えてできるだけ詳しい話をして自分のことを正確にイメージしてもらえるようにしましょう」のような言葉が並んでいるし、例文にもテニスサークルでの細かい事実が書かれている。リクルート星人による就活情報雑誌、イベントでのセミナー講師、そしてリクルーターらしき人が、やはりかなり細かい話を要求することも大きく影響しているようだ。

大きく分けると3つのパターンの細かい話がある。
一つ目は「細かい事実」である。テニスのサークル活動での細かい練習方法の工夫、塾講師での生徒との細かいやり取り、留学中のイベントを通じた細かいコミュニケーション、インターンシップでの細かい営業状況など、細かい事実が綴られるのである。事実が細かくなると、話がわかりやすくなりイメージしやすくなる反面、そんなことなら誰でも作り出せる事実ではないか思ってしまう。つまり細かくなればなるほど、差別的優位性を示すことができなることがある。

また、一方では細かい事実が疑わしく思えるときがある。カフェで店員の接客姿勢について店長に提案した類の話である。学生が社会人である店長に接客姿勢について提案することが本当に受け入れられるのだろうか。店長からの提案に基づいて、接客姿勢について店員同士で改善することにしたのなら未だ理解できるが…。「それって本当なの?」と疑いたくなり、その事実を信じようとすると、「実に生意気な人だ。そんな人が入社すると権利とかを主張して文句言うんだよな~」という言葉が頭を過(ヨ)ぎるようになる。

実は、このように細かい事実は、差別的優位性を失くしたり、疑われたり、避けられたりするのである。細かい話をして自分のことをわかってもらおうとしたと思うが、その細かい「話」は細かい「事実」ではないのである。

二つ目は「細かい感情や思い」である。たまに、エントリーシートでは「その時の思いを含めて書いてください」という設問もあるので、それは例外として、細かい感情や思いが細かすぎる。「…とても悔しい思いをしたので、次回は絶対に後悔することのないように…」、「…その時はとても辛かったが、みんなの笑顔に励まされて、みんなのためになんとか頑張った…」、「…そういう熱い仲間が好きだったので、その仲間を裏切らないために一人ひとりのことを一生懸命思い…」などの感情と思いのオンパレード状態の人もいる。

なぜ感情や思いが細かすぎるのが良くないのか?その答えは簡単だ。「感情や思い」は、実際とは大きくかけ離れている可能性があるからである。つまり、平気で嘘をつける。いや、嘘をつこうとしなくても、事実とは違う「感情や思い」を言えてしまうのである。事実や考えは容易に変えれないが、思いはいくらでも簡単に変えられる。面接の場だけも、変えようと思えば変えられるのだ。だから、エントリーシートや面接の審査官は、「感情や思い」は全く信用していない。

三つ目は「細かい方法」である。例えば、学生時代に力を注いだことで、自身が所属するサッカーサークルが関西のサッカーサークル大会で優勝争いすることを目標として掲げたとする。その目標を達成するための活動や方法について論理的に具体的なことを配列するのであれば良いのだが、プロセスとして採用した方法を(論理的ではなく)事細かに羅列する人がいる。もっとひどい場合には、論理的思考があることをひけらかすためにロジカルシンキングの説明する人や課題解決力があることをひけらかすためにPDCAサイクルを回すことの大切さを説く人などもいる。

細かい事実、感情や思い、方法を書いたところで、墓穴を掘るだけだ。「普通の人だね」「嘘をついているね」「どうも協調性がなさそうだね」「熱く語ってたけど演技みたいだよね」「あれは結果論だね」「ツールの説明をされてもね」と思われて終わりなのである。

ならば…具体的な話はせずに、抽象的な話で良いのか?それは違う。しなければならない細かい話がある。それが「細かい考え方」なのである。事実、感情や思い、方法などをできるだけ簡略化して、細かい考え方を文章に落としていく。

例えば、自己PRで自分が「向上心があり、統率力があり、情熱を大切にする」人がいたとする。エピソードを考える前に…自分にとっての向上心とは何なのか、向上心はどのようなプロセスで生まれるものなのか?向上心を止めないことは可能なのか?を時間をかけて考えてみる。同じように、自分にとってのリーダー像とはどういうものか?リーダーの役割とは何か?リーダーはどのようなプロセスで成功や変化を起こすことができるのか?を考えてみる。そして、情熱とは何なのか?情熱がなくなった時どうなるのか?仕事を情熱を持って取り組むというのはどういうことなのか?…等の「考え方」について考えて、考えて、考え抜くのである。

学生時代に「留学を含む英語の勉強と英語によるコミュニケーション」に力を注いだとする。細かいエピソードを考える前に…なぜ英語なのか?留学によって得れることは英語以外に何があるのか?帰国後に留学の経験をどのように生かすことができるのか?コミュニケーションとは何か?コミュニケーションの口と耳だけでできることなのか?日本語によるコミュニケーションと英語によるコミュニケーションはどう違うのか?…そんなことに考えを巡らすのである。

これまではみんなは、学生時代に力を注いだことについて、上辺の話だけにとらわれてきたと思う。コミュニケーションの意味について考えることなく、どんなコミュニケーションがあったのかを必死になって追い求めてきたことだろう。でもそれは違うよ。どんなコミュニケーションがあったのかを聞いても、この人と働きたいとは思わない。コミュニケーションの意味がわかる人と、コミュニケーションを図り、新しいコミュニケーションのカタチや価値を創りたいと思うのである。

自己PRや学生時代に力を注いだこと以外でも、例えば「チームワーク」についてアピールする時に、チームワークを発揮したエピソードから入るのではなく、自分にとっての「チームワークが良い」という意味を定義したり、チームワークを良くするための自分の役割について、チームワークが良くなることで導き出されること、等について概略をまとめれば良い。その後に続くエピソードの信頼性が増すだろう。

もちろん、みなさんは哲学者ではないので、考え方だけを羅列しても意味がないし、そんなエントリーシートは通過しないだろう。今よりも、事実、感情や思い、方法を少なくして、考え方を増やすところから始めてほしいと思う。「事実」「感情や思い」「方法」よりも「考え方」が重要な理由はたったひとつ。それは私たちがこの世の中で最も高等な生き物だからである。だから下等なリクルート星人に負けないで!

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2010-01-16 23:27  nice!(1)  コメント(2)  トラックバック(0) 
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ゆはな

こんにちは。
ネッピーさんの意見や考え方を見て、いつも参考にしています。
この記事を読み、自己PRにしたいことが、
自分にとって、どんな意味があるのか、どんな価値が得られたのか
ということを考えていきたいと思いました。
そして、その考えをより確信にする、エピソードを読み手のことを考えて作っていこうと思います。
ありがとうございました。
by ゆはな (2010-01-19 17:14) 

ネッピー

ゆはな さん
コメントありがとうございます。参考にしていただけて良かったです。
とても良く理解していただいているようです。そのとおりだと思います。
一歩踏み込んだ自己PRを作れそうですね。そんな簡単にはいかないと思いますが、諦めずに高度化させてください。
心のこもった感謝のお言葉を私は決して忘れません。ありがとうございました。応援しています。
by ネッピー (2010-01-19 17:31) 

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