学生時代に力を注いだこと・力を入れたことのレベルを知る（その３） [自己分析]
社会レベルの取り組み
学生時代に力を注いだこと・力を入れたことの取り組みとして、（その１）で個人レベル、（その２）で組織レベルの経験についての軸や留意点について見てきた。今回は一番大きな単位である地域ボランティアや国際協力などの社会レベルの経験の強みや弱みを見ていこう。
地域ボランティアなどの経験
小学校の児童育成ボランティア、大学生の学生生活支援ボランティア、留学生支援ボランティア、地域社会福祉ボランティア、地域社会環境保全ボランティア、地域活性・振興ボランティア（フェアトレードなども含む）・・・など様々なボランティア活動がある。広く社会に貢献するこのようなボランティア活動は、学生時代に力を注いだこと・力を入れたことの内容としては非常に意義深く、話を聞く側も関心を持って聞く場合が多い。
ただし、ボランティアの内容そのものにスポットがあたりすぎて、大きなところ（ボランティアの全体像）に目が向かないところがある。なぜ、そのボランティアを始めようと考えたのか？ボランティア全体としての目的や目標は何か？ボランティア全体としての課題に個人としてどのように向き合ってきたか？そのボランティアが自分の人生にどのような影響を与え、今後どのような取り組みでそのボランティア（あるいはそのトピックに）関連していこうと考えているか？なども織り交ぜて説明していく必要がある。
ボランティア＝良いことをしている というイメージがあるが、実際のところは「言っていること」と「やっていること」に大きなギャップがあったり、ボランティアのためのボランティアになっていたりすることも少なくないだろう。しかし、そのような経験は学生の身分ではあるが、真剣に「会社」を通り越して「社会」のことを考えた貴重な経験なので、自信を持ってギャップを感じたことの苦しみや悩みさえも表現できれば良いと思う。
国際協力などの経験
実際に自分が「国際協力」の世界で働いているので、「国際協力」を軸として学生生活を送っている人から多くの相談を受けている。その悩みは、国際協力という言葉を出すとあまり受けが良くないというものだ。不思議なことに就職活動では、「国際協力」「国際貢献」「社会貢献」の文字が嫌わることがある。国際協力NGOなどのボランティアの取り組みは、会社の「利益」と相反すると考える面接官がいることは間違いない。「民間企業など来ずに、国際関係機関やNGOでやれば？」・・・というような受け答えである。もしその発言が故意ではないとしたら、全く間抜けな社会人がいるものだ。自分たちが上げる利益が最終的には社会に還元されていくこと、つまり「会社」も「社会」のために存在することを理解していないので、このような発言になってしまう。
こういう間抜けな人に対応するために少し「伝え方」を工夫しよう。「このようなボランティアの経験を通じて、点を満足させることしかできない限界を感じました。今後は点ではなく面として大きな社会貢献ができる可能性をじっくりと考えていきたいと思ってます。例えば、民間企業での事業そのものやCSR活動などは社会を変える（社会に影響を与える）大きな可能性を秘めていると思いますので、いろいろな経験をしっかり積んで将来的に御社の間接的な利益貢献につながるようなCSR事業の企画・運営を任せてもらえるような存在になりたいと思います。」・・・など、ボランティアをやっていたからこそわかる「利益の追求→十分な社会への貢献→良いイメージの高まりによる間接的利益の増幅」を前面に押し出せば良い。
まとめ
ボランティアの難しいところはボランティアの細かい内容よりも「全体」を上手く説明しながら、自身が利益創出と相反しない考えを持っていることを理解してもらわないといけないところにある。
また、ボランティアに取り組んできた人は、できればそれを職業やライフワークとして関わっていきたいと考えている人も少なくないだろう。それを夢やビジョンに乗せてあまりにストレートに言ってしまうと、「あれ？うちで長く働く気はないの？」となってしまう。将来的な関わりとして会社のCSRなどの社会貢献部門での活躍や余暇時間でのボランティアの取り組みから得るネットワークや価値の活用などを強調して伝えることができるように工夫しよう。
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