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模擬面接を通じて見えてくるもの(その1) [面接対策]

模擬面接

前回に引き続きタイムリーなトピックをお届けしたい。前にも書いたが、現在、副業で就活模擬面接の担当官を引き請けている。そこで気づいたことについてお話したい。

模擬面接のベースコンテンツ

まずは模擬面接に入る前に、学生さんとこれまでの就活の状況、現在の取り組みの状況、今後の予定などの話をして、面接の想定企業を設定し、特に模擬面接で見てほしいところなども聞いている。人によっても異なるが、ベースコンテンツは概ね以下のとおりである。

(1) ノックして入室し、指定した席に座ってもらう
(2) 1分程度で自己紹介をしてもらう
(3) 自己PRをしてもらう
(4) 学生時代に力を入れたことを詳しく話してもらう
(5) (理系の場合は特に)学部、大学院での研究内容について話してもらう
(6) 志望動機を話してもらう
(7) 現在の就職活動の状況について話してもらう
(8) その他

それぞれの項目について、留意点や気がついたことを書いてみたい。
今日はとりあえず(1)~(3)まで。

席に着くまで

私は挨拶の専門家ではないので、「礼儀」の本質を知らない。いや、どちらかというと苦手分野である。言い訳としては、中身で勝負してきたので、そんな外見に神経を使いたくないと思ってしまう。だから、「正解」は礼儀の本などを参考にして見つけてほしいが、(個人面談の場合)面接官として行動した方が良いと思うことが2つある。

まず、ノックしてドアを開け「失礼します」と言って、一瞬こちらの目を見た後、頭を下げて「よろしくお願いいたします」。面接官から少々距離がある場合は、いつもよりも大きな声を出す。

次に、席の近くに歩み寄り直立し、「どうぞお座りください」と言われたら、着席する前に大学名・学部・学科(あるいは研究科)、名前を告げて、「よろしくお願いいたします。失礼します。」と言って着席する。

これは礼儀のマニュアルとしては間違っているかもしれない。挨拶は「どうぞお座りください」の一瞬前あるいは座った後に言うと書いてあるのを見たことがある。しかし、面接官をやっていて思うのは、どちらにしてもこちらの話す言葉と被ってしまう可能性が高いのである。言葉が被るとそこでタイミングの取り方が崩れて、お互い立て直すのに時間がかかる。面接はキャッチボールだと思っているので、両方がボールを持ってお互いが投げてしまい、しかもそれがぶつかるという事故は未然に避けたいところだ。そういう意味で、言葉が被らないためには「どうぞお座りください」の後しかないと(私は)思う。

なぜ、名前を告げて挨拶するのを薦めるかというと、元気の良さをアピールするというよりも、緊張を解す意味合いが強い。人は自分から積極的に声を出すと、上手い具合に力が抜けて、良い意味での開き直りができると思うからである。関係ないかもしれないが…キャッチボールついでに、野球の話をしたい。

私は日曜日に草野球、いや、おっさん野球(でも終了後にビールを飲むわけではないよ)を20年以上やっているが、ここでエラーしたら負けるよな~と思った瞬間、必ず自分のところに飛んでくる。つい最近もそういうことがあった。自分ではとてつもなく上に上がったと思えるサードフライ…そんな日に限って強風…しかも、試合終了まであと一人、ただ…一点差で勝っていてランナーがセカンドとサードに居る。ツーアウトでランナーは既に走り出しているので…これ落としたらサヨナラ負け?でもなかなかボールは落ちてこない。むしろ風に流されてホームベースの方向に戻されている感じ。早く落ちて来いよ!

その瞬間に体が強張っている(コワバッテイル)感覚が自分でもわかった。ヤバイよな~。そこで声を出した。いつも私のプレーを温かく見守ってくれている後輩が「声出したら楽になりますよ」とアドバイスをくれていたのを完全に思い出した。どんな声だったか忘れたが、叫んだその瞬間に強張りが取れ、プロの選手のように身のさばきで軽快に流されたボールに飛びついてキャッチした。気持ちは興奮していたが、そのままホームベースの方向に走り抜けて審判にボールをトスした。格好良い!いやいや、あ~恐わっ!だった。
そう。声を出して楽になろう!

自己紹介

「初対面ですからね~1分程度で簡単に自己紹介してもらえますか?」というと、10名中9名が自己PRを始めてしまう。あれ?自己紹介なんだけどな~と思っていると…「この強みを生かして御社にも貢献していけると考えています。よろしくお願いいたします!」…おいおい、イケテナイ志望動機も飛び出してしまった。

「自己紹介」と「自己PR」は全然違う質問項目である。たまに、言葉の大切さを知らないアホな人事が「自己紹介をお願いします」と言って自己紹介したら「何か弱いね~もっとちゃんとPRしないとね~」と言われたので「自己紹介とおっしゃったので自己PRではないと思いました。申し訳ございません。」と応えると、「そんな質問してないと思うけど…もっと素直にならないと。」と言われて落ち込んでいた学生さんがいた。そんな言葉の使い方に神経質になれないアホな人事のいる会社に入らなくて良かったよ。この人事の人、嫌な奴と感じるでしょ?でもね~…社会に出たら、こんな奴ごろごろいるからね~。90%ぐらい!学生時代にはいなかったのに、どうして90%も出てくるの?それはね~、今は好きな人としか付き合っていないからだよ。

アホな人事の話はさて置き。自己紹介。自己紹介は初対面の人に自分の過去から現在の事実を話すことで、自分の全体像を知ってもらうことにある。初対面の人と友人になるために必要な情報を出すと考えて良いだろう。そんな時どんな情報を出すだろう?

人によって違うと思うが、典型的な例としては、
(1) 大学名・学部・学科(研究科)
(2) 出身地など(過去)
(3) 過去の主な活動(過去):10年サッカーをやってきたとか…原点や継続活動
(4) 趣味・特技(過去~現在)
(5) 大学時代に力を入れたこと(過去~現在):事実のみ
(6) 大学時代に勉強したこと(過去~現在):ゼミや研究課題
(7) 就職活動の軸や状況:簡単に
これで全体像は理解できるし、聞きたいことも出てきて、コミュニケーションもやりやすくなる。準備しておこう!集団面接で自己紹介を求められているのに、自己PRをやり出した人がいても、あなたは冷静に自己紹介をする。始める前に、「それでは自己紹介!をします」と言おう。

自己PR

やはり何度聞いても、同じパターンに嵌まって(ハマッテ)いる。粘り強い、積極的、協調性がある…今就活に取り組んでいる学生はほとんどが粘り強いし、積極的な人も多いし、グループワークなどを通じて本当の協調性も身についてきたと思う。

このブログでも何度も言ってきたが、その強みの5W1Hを徹底的に探り、本当の強みを見つけるのだ。
昨日の面接での例をあげさせてもらうと…
その人の強みは、どうも「協調性」らしい。
WHAT(どんな協調性?):人と情報を共有することを大切にしている
WHO(誰と協調性があるの?):同じ目標を持った人たちと
WHEN(いつからそうなの?どんな時に協調性が発揮されるの?):高校の時の学園祭で委員をした時から、みんなで一つのことを創り上げようとする時
WHERE(どんなタイミングで協調性が発揮されるの?):リーダー不在の時に自分が進んで
WHY(なぜ協調性を大切にしたいの?):ひとりでできないことがたくさんあるから=ひとりにできることなんて限られているから
HOW(どのように協調するの?):自分の主張をして、他人の話を聞いて、そして、もう一度自分で考えて、自分の意見を柔軟に変えて、他人に伝えるようにしている
素晴らしいでしょ?私が誘導したわけではなく、これらの言葉は全てその学生さんから出てきた言葉なのである。

『私は同じ目標を持った人と、徹底的に情報を共有して、何か大きなものや新しい価値を創り上げていくことができる協調性があります。その力は高校生の時の学園祭で委員を任された時に、みんなとの協調や共有を徹底することで、とてつもないパワーが発揮され、大きな成功に結びついた経験をして以来、育まれてきました。その時に強く感じ、今も常に自分に言い聞かせていることがあるのですが、それは…「ひとりにできることなんて、たかが知れている」ということです。そのために、人と接する時に気をつけていることがあります。それは、まずは自分の意見を主張するものの、あまりそれに拘りすぎず、その人の話にしっかりと耳を傾け、自分の意見をどんどん、柔軟に変えていくことを心がけています。その強みは大学時代には…』という具合である。

つまり、最終的にPRしたかったのは、協調性があるということよりも、集団の中で新しい価値を生み出していける力がある、ということではないだろうか。その力を生み出す秘訣として、協調性や柔軟性があるように思えるのである。みなさんも、今一度、自分の強みの5W1Hを求めてみて、組み立ててみてほしい。もちろん空欄があっても良いし、無理矢理全てPRに使う必要もない。自分の言葉で就活しよう!とはこのことなのだ。

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2009-05-30 17:43  nice!(3)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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